高知県南国市のペットショップが犬とネコの展示販売をやめ、保護犬・保護猫の『譲渡』を応援するスペースをオープンさせた。「一匹でも多くの命を救いたい」。動物と笑って暮らせる未来を思い描いた、県内初の取り組みだ。

愛護団体の譲渡活動見て「何かできることは」
南国市にある「アシスト南国」。ペットグッズの販売やドッグランの開放などを行い地元住民からも親しまれるペットショップだ。保護犬、保護猫の「譲渡会」を始めたのは、4年前。動物愛護団体に場所を提供するところからのスタートだった。

新しい家族との出会いを支えてきた一方、気温や天候に左右される屋外での譲渡会も目にし、もどかしさも感じたという。

「夏の暑さや冬の寒い時期になるとどうしても動物やボランティアさんに負担が掛かるので大変でした。一匹、譲渡が決まることで大喜びしているボランティアさんを見ると、『自分たちももっと前に進んだ協力ができないか』と感じるようになりました」(アシスト南国 前田英良店長)


犬、ネコの展示販売終了改装でネコのくつろぎスペースに
アシスト南国は、今年1月、16年前の開店当初から行っていた犬や猫の展示販売を終了。新たに、保護犬・保護猫の譲渡の場として活用する、『OUENSPACE』をオープンさせた。

改装前の展示・販売スペース
改装後の譲渡会用スペース


ネコが歩き回れるよう立体的な作りに。くつろいでいる、自然な表情の動物を見ることができる。

保護されたネコ 生き生きとした表情

「動物たちにストレスがあまりかからない環境にしたかったので、部屋のような形で生き生きとした動物たちを見てもらいたいと。1つでも多くのいいご縁を繋ぎたいと考えてつくりました」(アシスト南国 前田英良店長)

現在はこの場所を活用して動物愛護団体が365日、毎日、譲渡会を開いている。

「本当にびっくりする画期的なことでリスクも多い中での決断だと思うので本当に有難い」(動物愛護団体アニマルサポート高知家吉 本由美理事長)


高知県では保護犬、保護猫減少背景にはコロナ禍も?
高知県によると飼育崩壊や病気などが原因で捨てられた保護猫のうちおよそ300匹が、今でも処分されている。しかし、20年前と比べると、保護される犬、猫の数自体が大幅に減少。特に、犬に関してはおととし10月以降、殺処分はされていない。

要因として県は『譲渡』という考え方の広がりと捉える。加えて、コロナ禍で新たな家族を迎えたいという人が増えたことも、処分の減少を後押ししているという。



譲渡会には多くの親子連れの姿「一匹でも救いたい」みんなの願い
3月23日、『OUENSPACE』で行われた譲渡会には、平日にもかかわらず絶えず親子連れの姿があった。

チワワのハルくん、車の中で飼われていたところを保護された。

車で飼育されていて保護されたチワワ


「飼い主が亡くなってしまって、車の中に取り残されて、保健所に入る前日に保護された。(ほえる犬に)怒っている・・言われん。もう13歳なのでゆっくり老後生活を過ごしてもらえたら」(動物愛護団体のメンバー)

譲渡会には、平日はおよそ80人、土日は多い時で200人が訪れる。

3月に開かれた譲渡会の様子

「まるこちゃんとはなこちゃんが可愛いから飼いたい!」(子ども)
「保護されている犬や猫はもしかしたらこのまま亡くなるかもしれない、『1つの命を救えたら』、『その手助けがちょっとでもできたら』と子どもに伝えた。分かってくれたらいいなと思う」(父親)

「動物が幸せだということは人間も幸せだと思うので、それを目指して動物の命を大切にして、みんなで温かい社会にしていけたら」(動物愛護団体アニマルサポート高知家 吉本由美理事長)


「実際利益面では大変なところはありますけれども・・犬や猫を見て笑顔になるというのは『元気をもらっている』こと。そのお返しをちゃんとお世話をすることで動物たちに返していく。これが『共存』だと思う。最終的には譲渡会のスペースに動物が来なくてよくなる、『保護される子がいなくなる』状態をつくっていきたい」(アシスト南国 前田英良店長)

一匹でも多くの命を救うために

一匹でも多くの命を救いたい。大きな一歩を踏み出したペットショップの挑戦は、まだ、はじまったばかり。その思いはいま確かに広がり、大勢の人が、『動物と共に笑って暮らせる未来』を思い描いてる。