グローバル化や人口減少が進む中、高知県内の教育現場では、各地域の特色をいかした魅力ある学校づくりが行われています。お笑いコンビ・ツーライスの2人が、県内の高校を訪れました。
まず、ツーライス・ヤスさんが訪ねたのは、四万十町大正にある、県立四万十高校です。県内外から生徒を受け入れている学校の一つで、全校生徒59人のうち、20人が県外出身です。全国的にも珍しい「自然環境コース」が設置されていて、四万十の豊かな自然を中心にした環境教育が進められています。

この日、1年生は、課外学習で近くの森に向かい、間伐した場所でどんな植物が見られるかなど、植生調査を行いました。
(四万十町出身)
「四万十高校は県外生も多いので、県外生とも話してみたいなあと思って入学しました」
Q.きょうの授業の感想はどうですか?
「けっこう見たことのある植物はあったんですけど、名前までは知らなかったので、こんな名前なんだ!って」

(神奈川県出身)
「自然が好きなので、田舎で3年間過ごしたいなと思った。『四万十』っていうのは、『四万十川』で知ってたので、一回こっちに来てみて、いいとこだなと思ったので来ました」
Q.実際、高校生活はどうですか?
「人は少ないんですけど、少ないからこそ人と関われるなっていうのはありますね」
また、四万十高校は部活動にも力を入れています。音楽部は、近くの大正中学校と連携し、「ジャズ」をメインに活動していて、高校生を対象にしたジャズの全国大会では、4年連続入賞を果たしています。

Q.高校生と一緒に活動する中でいいことってあります?
(中学生)
「同年代の人だけじゃなくて、高校生っていう年が上の人との関わりを持って、コミュニケーション能力が高まることです」
Q.中学生から見て高校生ってどれくらい大人に見えてるの?
「最初はすごく大人に見えてたんですけど、慣れてきたらすごく優しい人たちばかりで、だいぶ距離感も近づいてきて、いま楽しくやってます」

Q埼玉県出身なんだ、僕も埼玉県出身です。ジャズバンドの魅力って何ですか?
(埼玉県出身)
「地域のイベントに出た時に、自分たちが練習してきた成果をお見せする場にできるのですごく嬉しいし、見てくれた方が『すごく良かったよ!』と言ってくれた時に『嬉しいなぁ』って思います」
(生徒会長 森田怜夢さん)
「音楽部は、地域の方々に支えられてこその部活だと思うので、僕たちの演奏を通して、感謝の気持ちをどんどん伝えていけたらなと思ってます」

四国最南端のまち、土佐清水市。豊かな自然に囲まれた県立清水高校にやってきたのは、卒業生の、ツーライス・大ちゃんです。

清水高校では、地域を題材に深く考える「探究学習」を行っていて、生徒たちは、身近にある問題点などに着目し、自分たちで解決策を探ります。自らが設定したテーマを解決する手段を体験的に学び、社会に出てからの行動の基礎を養うことが狙いです。

Q.どんなテーマでやってるの?
(2年生)
「私は、『地元の郷土史・歴史を発掘する』というテーマで活動しています。絵本を作ってて…それを図書館などに展示したいなって思ってます」
Q.なんでそこに興味を持ったの?
「歴史がもともと好きで、そこから地元に貢献したいなっていう気持ちから、地元の歴史について調べるようにしました」

Q.清水高校のいいところは何でしょう?
「人数が少ない代わりに、先生との距離が近かったりして、分からないこととか教えてもらえたり、『地域への近さ』っていうのも強みなんじゃんないかなと思ってます」
清水高校は、21世紀のジョン万次郎の育成をコンセプトとして掲げ、来年度には学科の改変を行います。万次郎のようなたくましい人材が期待されています。
社会が激しく変化する時代。高知の未来を担う子どもたちを誰1人取り残さないための教育が、いま、進められています。