荒れ気味だった家庭環境、両親のけんかが絶えず…

証拠調べの後の証人尋問には、A女被告(当時)の姉が証人として出廷した。

「妹が相談できる相手は、同居する家族には誰も居なかったと思う」

A女被告(当時)が同居していた2人の兄のうち、特に上の方は「気難しく、機嫌が悪くなると物を壊すなどヒステリックだった」と述べた。

家庭環境も荒れ気味だったという。

「小さい時から両親のけんかが絶えなった」
「父は物静かで、子育てに協力的では無かった…。母は、すごく、すごく、お金に対して執着心があり、すごく浮き沈みが激しくて…」
「母は、A女被告(当時)とよく買い物に…、A女被告(当時)のカードでよく買い物をしていて…」

それまで気丈に話していた姉の言葉が途絶えた。声を押し殺して泣いている。しばし続いた沈黙のあと、言葉を続けた。

「母は機嫌が悪くなると…手を出してきたり…。『殺す』『死ね』といった言葉が日常的にあった」