遺体発見からおよそ1か月で急展開した、愛媛県新居浜市の赤ちゃん殺害事件。
これまでの経緯と容疑者の人物像を取材しました。

■タケノコ採りにきた人が発見 竹やぶに赤ちゃんの遺体


4月13日、愛媛県新居浜市船木の竹やぶで、タケノコ取りに訪れた男性がタオルのようなものに包まれた男の赤ちゃんの遺体を発見し、警察に通報します。

赤ちゃんの遺体が見つかった愛媛県新居浜市の現場


(近所に住む住民)
「トラックが通るくらいで現場はめったに人が通らない。我々もこんな田舎でこんなことが起きると思ってない」

へその緒がついた状態で死産ではなく生まれた後に亡くなっていたという赤ちゃん。
警察は死体遺棄や殺人の疑いも視野にのべ2400人を投入し、捜査を進めました。そして遺体発見からおよそ1か月。事件は大きく動きます。

■「真面目な印象」32歳の母親逮捕 出産後には入院

警察は防犯カメラの映像やDNA鑑定の結果などから、14日、母親でアルバイト従業員のA女容疑者(当時)を殺人の疑いで逮捕。15日身柄を松山地検に送りました。
現場のすぐ近くに住み独身だというA女容疑者(当時)。本人を知る人は。

(近所に住む住民)
「すごく真面目な感じでビックリした。お腹出てるの分からなかった。自転車で仕事に行って帰って来たりしょっちゅう見かけていた」

多くの人はまじめな印象だったと話します。
更に、その後の捜査関係者などへの取材で、A女容疑者(当時)が新居浜市内の病院に1週間程度、入院していたことがわかりました。出産後に合併症を患ったとみられています。

産婦人科の医師は出産する際のリスクをこう指摘します。

(愛媛労災病院産婦人科 南條和也部長)
「自宅で分娩した場合、出血が少なかったら何もしないでおくこともできる。ただ出血が多い場合は病院を受診される。病院を受診しないと命にかかわるので」

■取り調べに「間違いありません」と容疑認める

逮捕直後は取り乱した様子を見せたものの、取り調べには素直に応じているというA女容疑者(当時)。調べに対し「間違いありません」と容疑を認めているということです。

小さな命はなぜ失われてしまったのか、警察は犯行の経緯や動機などを調べています。