愛媛県内は雨の少ない状態が続いていて、愛媛県大洲市の肱川にある鹿野川ダムは、貯水率がほぼ0%になりました。
アユ漁への影響も懸念されています。

鹿野川ダムを管理する国土交通省によりますと、上流の雨量は先月が平年の47%、今月に入ってからはほとんど観測されておらず、貯水率は9日、ほぼ0%になりました。

(栃木記者)
「大洲市は、地下水を水源としているため、ただちに生活への影響はないということです。貯水率がほぼ0%になり、ダムからの放流量は通常のおよそ半分にあたる毎秒3トンまで減っています」

この時期、大洲市で盛んに行われているのが、肱川のアユを使った焼き干しアユづくりです。
今シーズンは順調ですが、川の水が少なくなることで来シーズンの漁獲量減少が懸念されています。

現在、産卵の時期を迎えているアユ。
ふ化した稚鮎は川の流れに乗り、海水と淡水が入り混じってエサが豊富な「汽水域」まで下ります。

(アユ漁師 上満武さん)
「水量が多ければ多いほど早く、汽水域まで到達するんですがね。水量が少なく何日もかかって汽水域に下がったのでは途中で死んでしまうんですね」

およそ40年にわたってアユ漁を続ける上満さんですが、この時期に肱川の水が極端に少ないのは初めてだといいます。

影響を確認するため、国土交通省は10日、ダムの下流6か所で水質などを調べましたが、変化は見られなかったということです。

(大洲河川国道事務所 工務第一課 小谷精司 課長)
「水量が減ったとしてもすぐさまに大きな影響が出るとは思っていないが、非常に水が枯渇するような状況になると非常に水質の影響生態系への影響が危惧されます」

この調査は週に2日程度行われます。