JICA(ジャイカ=国際協力機構)が愛媛県今治市など4つの自治体をアフリカの「ホームタウン」に認定し、誤った情報に基づく抗議が殺到したことを受け、JICAは事業の撤回を発表しました。
JICAは先月、国際交流を後押しするため、今治市など国内4つの自治体をアフリカ4か国の「ホームタウン」に認定しました。
これに対しSNS上で「移民を受け入れる制度だ」という誤った情報が拡散。
モザンビークとの「ホームタウン」に認定された今治市には、抗議の電話やメールが殺到しました。
さらに、「グーグルマップ」上で市の施設の名前が書き換えられるなどの嫌がらせが相次いだほか、今月には、市役所のトイレに落書きされる器物損壊事件も起きています。
こうした状況を踏まえ、JICAは25日、事業の撤回を発表しました。
JICA 田中明 理事長
「このような現状を重く受け止め関係者の皆さまとの協議も踏まえアフリカホームタウン構想については撤回することにした。国際交流の事業については今後も積極的に進めていく。私どもが誤った見解に屈したということではないと私は思っている」
JICAの田中理事長は「誤解に基づいて混乱が広がったことは大変遺憾だ」と述べました。
今治市の担当者は、「JICAから自治体に過大な負担を生じさせたと説明があった。撤回は妥当な判断だと理解している」とコメントしています。