愛媛県松山市の3月議会は最終日の21日、松山城の城山で発生した土砂災害で被災した住民が、再検証などを求めた請願について、採決の結果採択しませんでした。
城山の土砂災害で被災した住民は、山頂付近に設置された緊急車両用道路の再検証と、市議会でも住民の声を聞く場を設けるよう求めた請願書を市議会に提出していましたが、いずれも委員会では否決されていました。
そして、21日の本会議でも審議にかけられ、まず、委員長が否決した理由を説明しました。
(都市整備委員会・河本英樹議員)
「市が住民の質問状等に対して回答を予定していること、また生活再建支援金についても86%は給付を完了しているとのことであり、本市は被災者に対し誠意をもって丁寧に対応していると感じた」
これに対し、請願に賛成する議員は…
(新風会・梶原時義議員)
「住民の思いをしっかりと伝えられる機会すらないことに、非常に残念に思っています」
賛成意見が述べられる中、静かに目を閉じていたのは池本俊英議員。
請願を否決した委員会のメンバーの1人です。
このあと3人の議員が自ら退席し、請願の採決が行われ、反対多数で正式に不採択となりました。
(山田祐也アナ)
「改めて緑町の住民の請願に反対した理由を教えてください」
(池本俊英議員)
「この間、お話させていただきましたよ」
(山田アナ)
「賛成討論の途中で目をつむっている姿が見受けられたが…」
(池本議員)
「この間、委員会が終わったときにお話させていただきました」
また、退席し採決に参加しなかった議員は…
(フロンティアまつやま・池田美恵議員)
「判断を今の時点でするには至らないという気持ち」
(山田アナ)
「市民を代表している立場として、賛成か反対かの立場を示すべきなのかなと思ったが…」
(池田議員)
「退席という判断も1つの判断としてある」
一方、閉会後、採択に反対した委員会のメンバーが市に対し、住民の不安解消に努めるよう申し入れました。
申し入れの理由についてメンバーの1人は「市のこれまでの対応を一定評価はしているので請願の採択には反対したが、足りないところは住民に寄り添わないといけない」と説明しています。