去年7月、松山城の城山で起きた土砂災害から半年余り。原因を調査してきた愛媛県の委員会が報告書をまとめました。報告書では、市が整備した緊急車両用道路が斜面の変形に影響した可能性があると指摘しています。

松山城の城山では、去年7月の大雨で斜面が崩れ、ふもとの緑町に土砂が流れ込み一家3人が亡くなりました。

愛媛県は、専門家による技術検討委員会を設置し、土砂災害のメカニズムなどを調べてきました。報告書では、土砂災害は降雨などの影響で斜面が徐々に変形したことが最も大きな要因だと結論づけました。また、斜面を不安定にさせた要因としては、がれきなどを含む「捨土」や「成長した樹木」の存在も挙げています。水分を多く含んだ土は泥のようになっていて、住宅地に流れ出したということです。

さらに、斜面の変形に影響を与えた可能性がある要因として、城山を管理する松山市が山頂付近に整備した「緊急車両用道路」の擁壁や盛り土の重さも指摘しています。この道路は、2018年の完成直後からたびたび路面に亀裂が発生していました。