阪神淡路大震災の発生から30年。この震災で、神戸市では全体の7割にのぼる4571人が犠牲となり、このうち灘区は934人が亡くなりました。

当時、灘区に暮らしていた、愛媛県八幡浜市出身の神戸大学生、櫻井英二さん(当時22)。住宅の倒壊に巻き込まれ、命を落としました。

英二さんの母、幸子(ゆきこ)さん(86)。悲しみは30年が経った今も癒えることはありません。

幸子さん
「警察に『絶対にここにいるのです』と言っても『応答がない所はどうしても救助をするわけにはいかない』と。残念で残念でたまりませんでした。自分も一緒に逝きたいという感じでした」

そんな幸子さんに、近所の人たちは寄り添ってきました。

近所の住民
「これからもずっと幸子さんを支えていかねば。支えにはならないけれど話し相手ぐらいには」