愛媛県松山市内のデパートでは全国のグルメを一堂に集めた催しが始まりました。一方、今年もすでに食品の値上げの波が押し寄せているようです。

松山市のいよてつ高島屋で8日から始まった「全国うまいもの味めぐり」。

北は北海道から南は沖縄まで、期間中、初登場9店舗を含むおよそ70店舗の味を楽しむことができます。

中にはイクラやウニ、赤エビにマグロなどを贅沢に使った函館の寿司店が手掛ける海鮮弁当。

さらに福井からは、脂乗りの良い肉厚なサバを焼き上げた寿司がお目見えしました。

また、スイーツでは8層に重ねた生地に生チョコレートとココアパウダーをかけて仕上げたショコラケーキが登場しました。

買い物客
「色々なものを見られて楽しいですね」
「赤福を買いました。息子が好きなので買いに来ました」

会場にはおいしそうなお菓子なども並んでいますが、中には値上げの影響を受けているところもあるようです。

今月に入り、大手製粉メーカー各社は製造にかかるコストの上昇から一部の業務用小麦粉で値上げを発表。

イベントに出店する焼き菓子店もじわりと影響を感じているといいます。

焼き菓子店
「影響は受けているが、なるべく費用を抑えて販売させていただいています」

値上げの影響は県内のベーカリーにも…。

創業当時から販売している「黒糖パン」が人気の内田パンでは、多いときで1日に250キロの小麦粉を使用するといいます。資材価格の高騰もあって経営は厳しさを増しています。

内田パン 内田敏之社長
「価格転嫁はなかなか難しいので、利益が圧迫されているという感じですね」

店では、販売のロスを減らすため、売れ行きを見ながら製造するパンの数を調整するなど、値段を据え置くための工夫を続けているということです。

内田パン 内田敏之社長
「値段を上げるのは簡単なんですけど、お客さんの反応が非常に心配なので、価格も極力上げずに対応していきたいと思います」

民間の調査会社によりますと、4月までに6000品目を超える食品が値上げされる見込みで、今年も物価との戦いが続きそうです。