◇◇「こういう事実あったと、形で残す」
――戦争の記録を伝える紫電改についての思いとは
「私としては、我々の先輩が作り上げたものを、我々が受け継いで、後の人に残すと。こういう事実があったと、こういうものがあったということを、形としてきちんと残して、それを見てどう感じられるかは、それは、それぞれの人の価値観や考え方によるものだと思うが、形として先輩が作られたものを残していくことに意義があると考えている」

――技術者として関われることの喜びは
「やはり見ていくと、構造にしても、作りにしても、当時の先人が非常に苦労して、しかもあの、伝え聞くところによるとかなり、戦時中ということもあって短い期間で作られたということで、それにも関わらず、かなり高度に作ってあるというのは、今見ても感じるところはありますので、非常にそれは我々としても勉強になるところと思う」

――調査進める今後に向けての思いなどはあるか
「通常、我々は航空機の製造と整備というようなことをやっているが、それとはひと味、意味合いが違い、文化財という側面がありますので、極力オリジナルの形を残しつつ、移設に必要な最小限の補修・補強を加えて、なるべくオリジナルの形を残していくことに主眼を置きながら進めていきたいと思っている。こういう仕事をやらせてもらえるのは非常に光栄なことで、身が引き締まる思いです」

――飛行機、戦闘機が文化財指定されていることについて技術者としての気持ちは
「そうですねぇ…文化財の定義などとなると、私よく分からない部分があるんですが。やはり航空機が発展していく過程ですね、今もう皆さん旅行するときなど飛行機乗られると思うんですが。一番初めライト兄弟が空を飛んで、今のように航空機が発展してく過程の、ひとつというか、途中のひとつのもの、製品ですから。そういう、飛行機が発展していく過程の、ひとつの段階の、物的事実というか、物証というか。それが当時の作られたままの形で残っているというところが、過去を振り返って、航空機がどう発展してきたかを考えるときに意味があるんじゃないかと思う」
◇◇リベットひとつにも技術的な価値
――技術的な優れた点とあったが具体的には
「リベットの打ち方など…」