林野庁東北森林管理局は、クマの主要な食料の一つとされる「ブナ」の実について、青森、岩手、宮城、秋田、そして山形の5県全てで「大凶作」となったと発表しました。
東北森林管理局は毎年、管内5県(青森、岩手、宮城、秋田、山形)の145か所(定点)でブナの初夏の開花状況と秋の結実状況を目視で調査しています。
結実の調査の結果、この秋は5県とも「大凶作」となりました。
豊凶指数3.5以上で「豊作」、1.0未満で「大凶作」に区分されますが、岩手と宮城は指数が「0.0」、青森、秋田、山形も「0.1」とブナの実は極端に少ない状況です。
岩手県は24か所の調査地点のうち「一部」(ごくわずかに実がついている)が1か所のみで、ほかは「非結実」(全く実がついていない)でした。2021年も「大凶作」でしたが、この年の豊凶指数は「0.7」でした。岩手県の指数(結実)「0.0」は2016年以来です。
山に餌が少ない状況で、東北森林管理局はすでに相次いでいるクマの人里への出没に、引き続き警戒や注意を怠らないよう呼びかけています。