貴重な品種でもあるマイルドばっけを使って、古川さんたちは自分たちの産直でしか買うことができない商品作りを模索しました。

その思いを形にしたのが、同じ八幡平市にある今年で創業30年を迎えた南部せんべいの老舗、羽沢製菓です。
担当した2代目の羽沢憲英社長です。

(羽沢製菓 羽沢憲英社長)
「ばっけというイメージが沸かなかった苦いというイメージだけで、これを商品にするのは非常に難しいと思って最初はお断りした」
それでも熱意に押され、開発が始まりました。
製法はばっけの粉末に小麦粉、バター、卵などを配合して生地を作ります。

それを一定の大きさに切って丸め、220度から230度の高温になる窯の中で、およそ6分焼けば出来上がり。
商品化に向けてばっけの味を生かすため、試行錯誤を繰り返しました。

(羽沢製菓 羽沢憲英社長)
「薄焼きをベースにして作ると味も臭いも抜けてしまう。ただ(ばっけの粉末を)入れただけの形になってしまったから、ほろ苦さがばっけの特徴だと行き着いたのが厚焼きのクッキータイプ」

3年の歳月をかけて完成したのが現在のせんべいです。

(松っちゃん市場販売組合 古川美枝子さん)
「封を切ったらばっけの香りがあると思うので、皆さんに食べていただきたい」

粉末にして保存しているので、1年を通じて山菜の香りを楽しめるばっけせんべい。特別な品種を使った春の味を求めて、八幡平市を訪れてみてはいかがでしょうか。