野生動物の生息地を守ろうと兵庫県の自然保護団体が3日、岩手県西和賀町の森林を購入したと発表しました。団体は森林保全がクマを含めた野生動物の市街地出没を防ぐことも期待しています。

森林を購入したのは、兵庫県西宮市に本部を置く日本熊森協会です。
協会は大規模な森林開発を防ぎ、野生動物との共存を目指す目的で1997年に結成されました。
現在、2万1000人が会員となっていて、兵庫県や新潟県などに合わせて1300ヘクタールあまりの森林を購入しています。

今回購入した西和賀町の森林は個人が所有していた27.6ヘクタールで、協会は手を入れずに保全し、伐採跡地では植林などの取り組みを検討しています。

(日本熊森協会 室谷悠子会長)
「(森を)失くしてしまうのは一瞬。1年ぐらいあれば大きな風車は山を削って建ってしまう。そこはもう二度と豊かな森には戻らない。」

協会では森林保全がクマなどの野生動物の市街地出没を防ぐことも期待しています。
県内では3日盛岡市材木町の寺の敷地にクマが出没し捕獲されたばかりで、これからの時期クマの出没や被害に注意警戒が必要となります。

(日本熊森協会岩手県支部 東淳樹支部長)
「どうすればクマが里に出てこないようになるのかという抜本的な解決も含めて、ただ単に出てきて危険だから駆除すればいいとならないような取り組みをしていきたい」

協会県支部では今後、森林保全や野生動物との共存についての勉強会を開催する方針です。