岩手県大船渡市の大規模山林火災で被害を受けた三陸町綾里地区で、特産の塩蔵ワカメが2025年の初出荷を迎え、浜に活気が戻りました。

25日は綾里漁協の施設に生産者が集まり、1箱に塩蔵ワカメ15キロが入った段ボールを次々に出荷しました。
綾里地区では57人のワカメ生産者のうち6人が、山林火災で自宅や作業施設などを失いました。

また、避難指示の影響により刈り取りや加工の作業が10日間ほど遅れたということです。
無事に出荷した生産者は安心した様子をみせながらも、複雑な胸の内を明かしました。

(生産者は)
「俺は運よくこうやって出したけど、被災に遭った仲間、定置網にもいるんだよね。ワカメをやってる人が、それ考えっと微妙な考えだね。うれしいとも思わないっていうか」
山林火災で施設や資材を失った生産者は、ワカメを加工せずに生で出荷せざるを得ず、塩蔵ワカメに比べて大幅に値段が下がります。

(綾里ワカメ養殖組合 熊谷仁也組合長)
「残念ですけども、それでも、その方々も一切ワカメをなげるとかそういうことなく生出荷ですけどもできてるというのは、その人たちにも頭が下がるというか頑張ってるなと思います」

塩蔵ワカメの出荷は例年より1週間ほど長く5月の連休明けまで行われる見通しです。