一方、規制の外側のふもとの住民や観光地には通常の生活が呼びかけられています。

(八幡平市 佐々木孝弘市長)
「紅葉のピークを迎えるこの時季にレベル2に引き上げられたのは、非常にダメージが大きくなるのではと心配しているところです」

八幡平市の佐々木孝弘市長は登山者の命と安全を守る規制に理解を示しつつも、自治体の観光業への影響を危惧していました。
こちらは焼走り登山口の近くでキャンプ場やコテージ、温泉などの施設がある岩手山焼走り国際交流村です。
運営する甲斐勇社長のもとには、レベル引き上げの直後から岩手山の状況の問い合わせと予約のキャンセルが相次ぎました。

(岩手山焼走り国際交流村 甲斐勇社長)
「全部で20件ぐらいはキャンセルあったんじゃないかと思います。焼走りの登山口のすぐ横なので、登山口に登山規制の看板が立つと、『ここも入れないの?』という問い合わせがあった。楽しみに毎年来ている方もいたが、こういう状況になると、また来年行けたらいいねという感じです。入山規制もどれぐらい伸びるかわからないので、うーん」

例年この時期であれば、紅葉シーズンのかき入れ時を迎えます。
施設では半年前からリニューアルを進めていて、ゲームや読書ができる空間や仮眠、食事のスペースなど多くの観光客を受け入れるための準備を整えてきました。

(岩手山焼走り国際交流村 甲斐勇社長)
「コロナなどいろいろな影響を受けて大変なところもあったが、そこを心機一転、がんばろうと思っていた矢先のことで、ちょっと出だしをくじかれた。長引くようなら、みなさんに応援をいただきたいところ」

規制されていない岩手山周辺では、観光施設を含めてこれまで通りの利用が可能となっています。


県では規制する地域以外は安全で日常生活に影響はないとした上で、正確な情報を把握し、観光を楽しんでもらいたいと呼びかけています。