新学期が始まって2か月が経とうとしています。周りの友達と上手く意思疎通が図れない、思ったような言葉が出てこない。
そんな学校で「生きにくさ」を感じる子どもたちが音楽の力を使ってコミュニケーションを学ぶ取り組みです。

 ここは「おとつむぎ」。去年3月に札幌市豊平区にできた児童発達支援・放課後等デイサービスです。

児童発達支援・放課後等デイサービス「おとつむぎ」

 言葉が思うように出てこない、人とのコミュニケーションが苦手な2歳から15歳までの子どもが通っています。

中村洋太ちゃん(4歳)

 中村洋太ちゃん、4歳。洋太ちゃんのお母さんは周りと比べてあることが気になっていました。

洋太ちゃんの母 沙織さん

 洋太ちゃんの母 沙織さん(35)
「ことばの遅れがいちばん気になった。幼稚園に通い始めた最初の方は、意思疎通が友達と出来なくて、かんでしまったことがあった」

 自分の気持ちを言葉で表現できない。そのもどかしさからなのか、かみつきは洋太ちゃんにとって精いっぱいの感情表現でした。

 数字の勉強中も少し落ち着きがない様子の洋太ちゃん。ここに通う前は、1人で遊ぶことが多かったと言います。
 しかし、去年9月から通い始めて協調性が目覚ましく成長しています。

 音楽を使った学習、音楽療育で自分の気持ちを表現する力やコミュニケーション能力を高めます。
 まずは、はじまりの挨拶。なんだか洋太ちゃん、とっても楽しそう。

音楽療法士 横市綾乃さん(34)
「(今日は)集中力や注意力を高めることと、音楽をツールとしてコミュニケーションを取って、信頼関係を築けるように促すようなセッション」

 「相手にきちんと返す」キャッチボールのルールを覚えることで協調性を高めます。
 刺激を感じてもらうため、実際に楽器を演奏することも。
 最後も楽器を使って終わりの挨拶。音楽療育が終了です。

音楽療法士 横市綾乃さん


「(洋太ちゃんは)知っている曲だと、一緒に口ずさんだり発語のきっかけにつながったり、1つの活動を長くするのは、集中力・注意力が向上していかないと出来ないこと」