北海道警察の捜査員を名乗る男から、取材記者のスマートフォンに一本の電話が届きました。「口座が犯罪に使われた」と巧みに不安をあおり、身に覚えのない容疑や自宅住所まで告げて追及を続けます。相次ぐ特殊詐欺の手口と、不審な電話を受けた際の具体的な対策を詳しく検証します。

記者のスマホに“詐欺電話”道警捜査2課を名乗る男は…

6月のある土曜日の午後。自宅にいたHBCの記者のスマートフォンに着信がありました。「080」から始まる番号でした。

電話「私は北海道警捜査2課の横田と申します」
記者「捜査2課のどちらの部署ですか」

道警の「横田」を名乗る人物
「どちらの部署と言われましても、捜査2課は捜査2課ですね」

電話の人物は、「北海道警察・捜査2課」の横田悟(よこたさとる)と名乗りました。

道警の「横田」を名乗る人物
「実は愛知県警本部のほうで、タカヤマコウジが逮捕されまして、タカヤマという男は全国各地で手広く詐欺や窃盗や強盗を行っていた主犯格で、タカヤマの拠点から物的証拠として(あなたの)キャッシュカードが見つかりました」

ある事件で押収した大量のキャッシュカードの中に記者の名義のカードがあり、それが「オレオレ詐欺」の振込口座だった。

つまり、「記者のカードが犯罪に使われていた」と説明します。

記者
「心当たりがないんですけども」

道警の「横田」を名乗る人物
「このまま放置しますと、捜査対象としてご自身の名前があがっている状況で、いま働いている会社や自宅の家宅捜索が行われる、最悪の場合は逮捕・起訴されることが十分あり得ます」

記者
「私がってことですか?」

道警の「横田」を名乗る人物
「そうです」

道警の「横田」を名乗る人物は、「逮捕」や「家宅捜索」をちらつかせます。そして…。

道警の「横田」を名乗る人物
「本日ですね、あすの午前中でも構いませんが、身分証明書と着替えを持って愛知県警本部までお越しいただきたかったのですが」

記者
「できない場合はどうするんですか」

道警の「横田」を名乗る人物
「私が愛知県警の捜査員に電話で対応してくれるか頼んでみます」

「愛知県警本部に来るように」と言ったにもかかわらず、なぜか「愛知県警の捜査員と電話」をするよう誘導されます。

道警の「横田」を名乗る人物
「お電話で身の潔白証明されますか?」

記者
「携帯電話からのお電話ですよね」

道警の「横田」を名乗る人物
「これ携帯電話からじゃないんですよ。捜査専用回線からご連絡差し上げております」

記者
「それでは北海道警のほうの2課の電話から…」

道警の「横田」を名乗る人物(さえぎって)
「それではというと何か?口座の売買に加担していないのであれば、ご説明を愛知県警に詳細にしていただきたいというお話なんですけども」

記者
「じゃ、愛知県警にかけ直します。どこになりますかね、部署」