「話せばわかる」の無邪気さ。夕方には逮捕されていた
郵便不正事件で私が逮捕されたのは、今からおよそ17、8年前のことです。
ある偽の障害者団体が、正規の料金よりはるかに安い郵便割引制度を不正利用して、企業のダイレクトメールを送り差額で儲けていた、そんな事件でした。
割引に必要な証明書に厚生労働省の判子が使われていたことから、厚労省が捜査対象となりました。
実態はといえば、担当の係長が忙しさのあまり決裁を省いて証明書を作ってしまったというものでした。
ところが検察は、国会議員が口利きをし、私の上司から私に命令が下り、私が係長に指示したというストーリーを描いていました。
係長が逮捕されて20日後、私は「やっと話を聞いてもらえる」と無邪気に思いながら大阪地検特捜部へ出向きました。
議員からの依頼も、上司からの命令も、部下への指示も、すべて「ありません」「していません」と答えた。
その日の夕方、私は逮捕されました。







