きょうの気分は?…A受刑者「非常に悪い」
「当事者研究」と呼ばれるこの取り組み。精神障害のある人が自分の病気の症状やそれによって起こる「生きづらさ」を周囲と一緒に研究し、社会で共に生きていく方法を探す。
北海道医療大学の向谷地生良特任教授が、2000年ごろ、北海道浦河町の精神障害者が暮らす施設「浦河べてるの家」で始めた。
塀の中の当事者研究では、犯罪を繰り返してしまう受刑者とこれまでの人生や将来の不安について話し合い、社会でうまくやっていけない理由を探す。
A受刑者は、去年4月から毎月1回行って来た。
11月13日、この日はA受刑者にとって8回目の「当事者研究」。だが、A受刑者の様子がいつもと違った。
北海道医療大学 鈴木和 助教
「きょうの気分体調はいかがですか?」
A受刑者(60代)
「非常に悪いです」
A受刑者は札幌刑務所で「特別調整」という制度の対象になっている。
高齢であったり、障害があったりする受刑者で、出所後に住む家や身元を引き受けてくれる家族がない人を対象に、刑務所にいる間から受け入れてくれる施設を探す制度だ。
A受刑者も複数のグループホームの担当者と面接を重ねてきたが、「金銭管理をされないこと」や「座った状態でもできる仕事があること」など、A受刑者の希望に叶う施設がなかなか見つからずにいた。







