20年ぶりの監禁現場

20年ぶりに監禁現場のCの自宅があった場所を訪ねた。Cの家は事件から数年後に建て直されている。路地や目の前の公園は以前と変わらない。自宅の前に立っている電柱もそのままだった。この電柱をよじ登って少年たちは2階のCの部屋に出入りしていた。曇天の空を仰ぎ見ると、無機質なコンクリートの電柱が墓標のように見えた。

女子高生が監禁されたCの自宅前の電柱は今も当時のまま

2回目(関連記事)は、Bの再犯に影響を及ぼした妄想について、Bと記者との面会や手紙などを交えて詳報する。

【取材・構成】HBC山﨑裕侍
この記事を書くにあたって心に決めたのは、事件や加害者をセンセーショナルに書き立てないことだった。
加害者の「償い」「更生」という最も共感しにくい、しかし重要なテーマだ。
世間の反応は予想できた。だからこそ、異質なものを排除する近年の風潮に、事件取材をしてきた者として抗すること、あるいは問いを立てることが自分の役割だとも思った。
もう一つ伝えたいことがあった。タイパ・コスパ・切り抜き・アテンションエコノミーが氾濫する現在、オールドメディアの存在意義である。
記事の反応は想像を超える大きな波となって、私を飲み込んでいる。

※この記事は書籍化されます。
『償い 綾瀬女子高校生コンクリート詰め殺人事件 6人の加害少年を追って』
(文芸春秋刊 1,980円 2026年1月7日発売)

※事件や加害者などに関する情報はこちらまで。
ayasejikeninfo@gmail.com

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