札幌市西区の60代の女性が、オレオレ詐欺などの特殊詐欺の被害として、北海道内では過去最高額の約2億5千万円をだまし取られました。
警察が詐欺事件として捜査するとともに、「警察官が振込を依頼することはありません」と強く呼びかけています。

8月13日、札幌市西区に住む60代の女性の自宅の電話に、配送会社の職員を名乗る男から「あなたの名義で宅配便が出されていて、中から大量に現金が出てきました。あなたの住所などが詐欺に悪用されているから警察に連絡します」などと連絡がありました。

その後、札幌・中央警察署のサトウとオオタニを名乗る2人の男や、カワシマを名乗る検察官の男などからたびたび電話があり、「あなたが犯人に口座を売った疑いがある。あなたの資産を調べる必要があります。札を1枚1枚確認します」などと言われました。

これらは全てうそでしたが、60代の女性は信じてしまい、11月30日までの間、28回にわたり、約2億5千万円を指示された口座に振り込んだということです。

警察によりますと、男らは電話とSNSを通じて、女性に「守秘義務を徹底してほしい」「警察関係者にも内通者がいる」「朝と夜、1日2回安否確認の電話をする」「捜査令状が出ている」などとうその説明をしていました。

男らが女性に見せた偽物の捜査令状には、実在する裁判官の名前が載っていたということです。

また、女性は男らに「調査したお金は12月15日に返還する」などと言われていましたが、15日に連絡がないことを不審に思った女性が、札幌・中央警察署に相談し、詐欺が発覚しました。

警察によりますと、女性は1人暮らしで、「こういう手口の詐欺があることについては知らなかった」と話しているということです。

約2億5千万円の被害額は北海道内のオレオレ詐欺などの特殊詐欺による被害としては過去最高額です。

警察は「警察官が現金や暗号資産の振り込みを依頼することはありません」とした上で、警察官や検事を装って現金などを要求された場合は全て特殊詐欺を疑い、不審な場合には、警察相談専用電話#9110へ連絡するよう呼びかけています。