■世界自然遺産の知床で発生したヒグマ襲撃
羅臼岳がある知床半島は、2005年に世界自然遺産に登録されました。
北海道によりますと、世界自然遺産に登録されて以降、ヒグマが人を襲う事故は初めてだということです。
しかし、知床のヒグマに詳しい専門家・鳥獣対策コンサルタントの石名坂豪さんは、「ヒヤリハット」は山ほどあったと、知床の山の実態を指摘します。

・鳥獣対策コンサルタント 石名坂豪さん
「登山者が頂上まで登るとき、荷物が重たいので、食べ物が入った大きい荷物を登山道の途中で置いてしまって、荷物から離れて登って戻ってくることが昔からよくある」
石名坂さんは、こうした事例の中で、登山者の荷物を荒らして食べ物を得たクマがいたのではと推測しています。

・鳥獣対策コンサルタント 石名坂豪さん
「良くも悪くも知床のクマは非常に人を怖がらない。いわゆる“人慣れ”状態が加速していますので、それは餌付け行為がなくても,単純に人と出会って怖い目に遭わなければ、人のことは気にしなくなるんです。こうしたことが、北海道の中で一番進んでいるのが知床地域だと思います」