今、地方から学校が消えていっています。人口減少が進む中、廃校になる公立学校の数は都道府県別で北海道が最も多くなっています。
そんな廃校になる学校のひとつ、江戸時代から続く産業を支え、子どもたちの居場所になっている高校を取材しました。(取材:HBC梶原小春アナウンサー)
潮の香りが漂います。ここは函館市に編入される前は南茅部町と呼ばれていました。

人口は約4000人。
10ある漁港から毎日多くの漁船が行き交う、全国屈指のコンブ漁業の町です。
この地域唯一の高校、南茅部高校。生徒はわずか17人。全員が地元で育ちました。

・南茅部高校生徒
「今のクラス全員幼なじみ」
漁業の町ならではの独自のルールがあります。その名も、「逆サマータイム」。
コンブ漁を手伝う生徒たちに合わせて、学校の始業時間を1時間遅くするものです。
3年生の長谷川凜さん。実家のコンブ漁を手伝っているということで、密着させてもらいました。
■未明に実家のコンブ漁を手伝ってから登校
午前2時半。凜さんの1日は、星がまだ輝く時間に始まります。
・長谷川凛さん(南茅部高校3年)
「まだ眠いですね」
現在、国内で生産されるコンブのうち、約15%を南茅部産が占めています。
凜さん、手慣れたものです。

・長谷川凛さん
「(いつからコンブ漁を手伝っていた?)小学校3~4年くらいから初めてそれからずっとですね」