■「呼び捨て」から敬語へ
毎朝、起床チャイムが響いたあと、刑務官が、受刑者が収容された部屋を、一つ一つ点検してまわります。
海野受刑者も、一度服役した経験がある月形刑務所。

収容されているのは、覚せい剤の使用や窃盗などの犯罪を繰り返した人たちです。
これまでの刑務所では、刑務官は「先生」と呼ばれ、受刑者は「番号」や「呼び捨て」で呼ばれていました。
行進の際の手の角度や、歩幅を指定するなど、刑務官は規律を徹底するため、受刑者に厳しく接してきました。
しかし、法務省の通達で現在は、行進の際の号令が廃止され、受刑者はそれぞれの歩幅で歩けるようになっています。

そして―。
刑務官
「縫い目も揃っていて、とてもきれいに仕上がっています」
受刑者
「ありがとうございます」
刑務官も、受刑者に敬語で話しかけるなど、“管理”から”対話”へ、刑務所の在り方を大きく変えました。