
四ツ倉教授がいま、地元の漁協などと進めているのは、コンブの「品種改良」です。コンブの突然変異を人工的に起こして、水温の高い海でも生きられる品種を作ろうとしています。
北海道大学(水産学) 四ツ倉典滋 教授
「将来の環境を予測して、そこで育つコンブを作っていく。北海道の宝物なので、しっかり守っていくことが北海道に暮らす私たちの使命」
10月、函館のコンブ加工場を訪れたのは、水産の研究をしている大学生たちです。コンブを食べてみた感想は…。
大学生「しょっぱい」「途中からねばねばしてくる」
コンブの養殖研究などに携わる人材を育てようと、北海道大学が2023年から行っている演習です。コンブの養殖に使うロープを実際に手に取り、“現場”を肌で感じます。
大学生
「僕は貝が専門ですけれど、コンブが直面する問題について知ることは、僕の分野でも重要だと思って参加した」
「どういった形で種苗生産しているかを知れて、有用な知見が得られた。将来は養殖に携わりたい」
品種改良について、今後、数年以内に高温に強い品種を確立したいということです。
しかし、実際に海で育てるとなると、生態系への影響を考える必要性や、ほかの漁師から了解をもらうなどのハードルがあり、まずは品種を確立することから取り組んでいるということです。
コンブの国内生産量の9割が北海道です。日本の食文化を守っていくためにも、資源回復に向けた取り組みが、実を結んでほしいと思います。