いまより差別が根強い時代。周囲の警戒感からか沿道には、警察の機動隊も出動しました。

鈴木賢さん
「思いっきりゆっくりやれ警察が言うことを聞く必要はない。とっとと終わらないように、要するに可視化される時間が長い方がいいわけだから」

第1回の報告書では、教育現場や職場などでの差別解消を明確に求めています。当時から性的マイノリティだけでなく障害がある人や女性など社会的に弱い立場におかれがちな人たちも参加の対象にしていました。

 レズビアンの当事者で、札幌開催を実現させた1人、工藤久美子さんは当時、仲間から「パレードには参加しない」と告げられることもあったといいます。

工藤久美子さん
「(レズビアンに対する)性的なイメージは昔の方がもっと強かったので」

また、いまよりも女性が家庭に入るのは当たり前とする風潮もあり、すでに結婚・出産をしている仲間にとっては自分の状況を訴えづらい環境だったといいます。

工藤久美子さん
「生活費は夫婦だから夫が出している状況の中で、おうちに帰ったらお母さんにならなきゃいけないし妻にならなきゃいけないという中で、自分のことを考えるのがどれくらいできるのか」