
藤木俊三記者
「これが、日高山脈最高峰の『幌尻岳』のピークです」
アイヌ語で“大きい・山”という名に相応しい姿…。
その前に広がるのは『北カール』です。“カール”とは、氷河がゆっくりと山肌を削り、スプーンですくったような、地形のこと…。
日本には、日高山脈と、本州の日本アルプスにしかありません。
遠く雲海の先にあるのが、芦別岳や夕張岳―。日高山脈の核心部。カムイエクウチカウシ山も見渡せます。
写真家・伊藤健次さん
「山が折り重なっている感じが日高らしいですよね。山に囲まれている感じが、本当だ、すごい、なんてこった」
登山道を彩るのは…、こんなものも。

写真家・伊藤健次さん
「クマの掘り返しですね。畑を起こしたみたいになっていますけれど、"ハクサンボウフウ"という、セリ科の草の根っこが大好物なので掘るんですけれど…。クマの鋭い爪は土を掘るためのもの…」
「いまの時期、これから上がって来て、いま姿は見えないですけれど、(クマは)カールの中に入っていても全然おかしくない…陰で休んでいると思います」
山荘を出発して4時間あまりで山頂に到着―。