もはや動画を普通のスピードでは見られなくなった人たちが街のあちこちに…。

20代・女性会社員:「30分の所を1.5倍速でアニメは見ています」
10代・男子学生:「ドラマの展開が遅いと倍速で見ます」

10代半ばから20代半ばのいわゆる“Z世代”を中心に動画の“倍速視聴”は当たり前なんだということを、今回、20代前半の記者が深堀りしてお伝えするというニュース企画。50代半ばの筆者が“おっさんデスク”としてサポートすることに。


この“倍速視聴”については、我が家でも言い争いがあった。一度や二度ではない。まさに渦中の人間としては思うところがあった。

テレビのハードディスクに録画されたバラエティー番組を家族で見る際、リモコンを手にした娘(記者と同い年)は“倍速視聴”するのである。

登場人物の声のトーンも変われば、当然早口にもなる。「落ち着いて見られないから等倍速にしてもらえない?」というと娘は「チッ…」早くするワケを教えてくれるわけでもなく溝は深い…のである。

そんな不愉快な“早送り視聴”について、地元・愛知県出身の男性がことし、一冊の本にしていたのを記者に教えてもらった。

その人は稲田豊史(いなだ・とよし)さん。1974年生まれのコラムニスト。記者は稲田氏にインタビューしていた。

■「“倍速視聴”は現代人の習慣です!」そんな時代になっているのか…

稲田豊史氏:「(倍速視聴は)現代人の習慣です。1時間の映像を30分で見られるということは、費やした1時間で30分の映像を2本見られるわけで、それは得なことだという考え方をしているんです。つまり、早送りせずに1時間視聴する行為は、30分は無駄だと考えるのです」

映像視聴にかけた時間で「損」とか「得」とかあるのか?と稲田氏の回答に耳を疑った。そして、早送り再生しながらも、作品の味わいを感じることはできるのか?

普段、映像制作の現場にいるわけでありまして、(意味がよくわからない)というのが正直なところ。

稲田氏の著書のタイトルは「映画を早送りで観る人たち」(光文社新書)だった。