骨折も風邪も治りきらず…迎えた全国大会「楽しく滑れたと思う」

2024年1月9日、全国大会は4日後に迫っていましたがパークに瑛吉くんの姿はありません。瑛吉くんは大会直前にまさかの体調不良。

去年好成績を残した選手だけが出られる大会です。大会当日、会場の千葉・幕張のパークに瑛吉くんの姿がありました。

腕の骨折も風邪も治りきっておらず、体調は万全ではありませんが、小学生最後の全国大会ということで、強行出場です。45秒間で16回から18回繰り出される技の、難易度や完成度を競う大会には、小学生と幼稚園児あわせて87人が参加しました。果たして上位6人の決勝に進む事は出来るのでしょうか。

しかし、会場に母・ももよさんの姿はありません。ももよさんは津市内でキッチンカーの営業中、ハンバーガーを作りながらWebで試合の様子を確認していました。

(瑛吉くんの母・ももよさん)
「仕事があるのもそうだけど、絶対会場では見られない。怖くて…」

パーク作りの借金も返さなくてはならないため、仕事をしながら声援を送ります。いよいよ瑛吉くんの出番。この時点で6位の選手の75.77点を超えれば決勝戦に進むことができますが、今までの最高点は68.77点。自己ベストの更新が必要です。

序盤2つの技を落ち着いて決めた瑛吉君でしたが、その後のボードを半回転させて着地する技は失敗。骨折した腕はギプスのまま、それでも懸命に挑戦します。結局、思い通りの演技はできないまま45秒が終了しました。

(小学6年・斉藤瑛吉くん)
「悔しいです。でも、最後に楽しく滑れたと思う。ここまで来させてくれたのも、お母さんだからありがとうという気持ち」

結果は残念ながら予選落ち。次は、中学で日本一を目指す決意を新たにした瑛吉くんでした。

(瑛吉くんの母・ももよさん)
「風や骨折でも諦めないで行ったところが一番瑛吉のすごいところだと思う。(Q.帰ってきたらどう声をかけたい?)とりあえず抱きしめてやろうと思う」

今日も、あのスケボーパークで瑛吉くんは家族と一緒に夢を追っています。

CBCテレビ「チャント!」1月17日放送より