熊本地震は「災害関連死」が「直接死」の4倍
(夏目キャスター)
行政は地元住民の皆さんをどのように説得してるのでしょうか。
(大野記者)
現地で石川県議員の吉田修議員に話を聞きました。吉田議員の妻も輪島市南志見地区出身ということで、吉田議員が地道に住民の方を説得して、ほぼ全員が避難しました。
(夏目キャスター)
行政としては「また大きな揺れが来たら危険だ」とか「支援が難しい」ということも2次避難を促したい理由だと思いますが、災害関連死の面でもやはり2次避難の方が安全というところですよね。

(大石邦彦アンカーマン)
災害関連死にどんな怖さがあるのでしょうか。2016年の熊本地震の死者は273人です。その内訳を見てみると、揺れによって建物の下敷きになるなどして亡くなった方が50人。避難所に行ってから亡くなった、いわゆる災害関連死の方が223人で4倍以上なんです。

では、なぜ亡くなったのか。これは持病のある人などが、慣れない避難所生活やストレスで体調を悪化させた可能性があります。
慣れない避難所生活でも、やはりコミュニティを維持することが大事ですが、今の避難所はどんな状況でしょうか。

(大野記者)
私が訪問した避難所でもコロナなどが発生していて、非常に衛生環境が心配される状態でした。薬や毛布、消毒液なども不足し災害関連死に繋がりかねない状況です。
また、集落ごとの結びつきが非常に強く、コミュニティの維持というのが非常に大切だと感じました。私達も震災発生時の避難だけではなく、2次避難でどう対応するか。集団ごとに避難できるかを考える必要があると思いました。

(大石アンカーマン)
実際に東日本大震災の避難所では顔の見える関係が維持されていたので、避難所でも仮設住宅でも災害関連死を防ぐことができたという自治体が多かったんです。ただその後、マンションのようなところに1人で引っ越してから亡くなった方も多かったということなので、そういう意味でも、皆さんのコミュニティを維持することが大切です。










