
この花火大会、実は「お盆の精霊供養」としてシンプルな花火を打ち上げたことが起源とされていて、今もプログラムには紙でできた灯籠を燃やす「灯籠焼き」が組み込まれています。

会場にいた地元・熊野市の高見守さん(60)は去年、父親の優さんが89歳で亡くなり、特別な思いで花火を見つめていました。

(高見守さん)
「(花火大会が行われる)17日には、父が駐車場にバーベキューセットを作って、それから花火を見に歩いて出かけるというのが毎年のことでした」

今回17日の開催は台風の影響で延期となりましたが、前日の16日には高見さんの暮らす有馬地区では予定通り、お盆の「灯籠焼き」が行われました。

そして、この日から約2週間が経った29日の熊野大花火大会。それぞれの思いを届けることができる「メッセージ花火」の打ち上げ時間に、高見さんが家族で考えたメッセージが場内に流されました。
「天国の優さまへメッセージです。お父さん、おじいちゃん、いっぱいありがとう。会いたいよ~」

そして、一発の花火が…。
(高見守さん)
「ほっとしました」

主催者によりますと、訪れた人は約5万人。来場者それぞれの心の奥に染みわたったことでしょう。4年ぶりの大花火は紆余曲折ありましたが、無事に夜空を彩りました。










