日本で献血が今よりも盛んだった頃から続けている世代で、中にはいわば献血マニアといえる人も。

(角田憲治さん)
「(予約はいただいていますか?)午後2時からです」

愛知県在住の角田憲治さん61歳。

(角田憲治さん)
「きょうは成分献血をしに来ました。(何回目?)きょうできれば290回目になります。行けるときに行くという感じで来ていたら気がつけばいたらこんな感じになっていた」

高校3年生で始めてから43年。

気が向いたときに行くことを重ね、ふた月に1度は献血を行い、これまでの回数はなんと289回。300回目前です。

この日もいつもの左腕に注射の針が入ります。

(角田憲治さん)
「刺すときは一瞬。ほとんど痛みはないです」

角田さんがいつも行う「成分献血」は、血液中の血小板など一部の成分のみを抽出して赤血球を戻す方法で、採血だけで1時間ほどかかります。

角田さんはYouTubeを観るなどして過ごしています。

そんな角田さんの職業はタクシードライバー。

この道に入って8年目です。

(角田憲治さん)
「献血は高校生の時に学校に献血のバスが来たのがきっかけ。献血をすると血液検査の結果が届けられるので、健康診断がわりでやっております」

勤務先のつばめタクシーでは、角田さんの提言を受けて2020年から全社あげての献血推進活動をスタート。

営業所に献血バスを呼んで、ドライバーや一般の人が気軽に献血ができるようにしました。

採血された血液は、別の部屋で細菌などが入っていないかチェックされたうえで、製薬会社や医療機関へ。

冒頭にも出てきた血小板の血液製剤の保存期間はわずか4日、赤血球も1か月弱と血液製剤の多くは長持ちしないため、持続的な献血が医療を支えるのに不可欠です。