“味”と“見た目”を厳しく評価する「品質査定会」

ミニトマトを作る地元愛知の生産農家では、一日およそ3300パックを出荷し、その多くは東京の大田市場へと向かいます。

(ミニトマトの生産農家・金江遼真さん)
「愛知県を代表するトマトを作っているぞという思いで。いいものを届けて“自分が一代表なんだ”という思いで、いいトマトだけをお届けできるように、しっかり評価してねというような思いを込めて、お届けをしています」

この全国一の青物市場で、愛知の野菜を売り込んでいくために、下山さんたちは年に7回以上、「品質査定会」を開催。卸売業者に愛知県産農産物を見てもらい、“見た目”や“味”で良いところ・悪いところをチェックしてもらい、生産農家にフィードバックします。

(チェックを担う東京新宿ベジフル・斎藤賢さん)
「(Q愛知のトマトの評価について)品質でもやはりリードしているので、それを最後まで出荷するまでの間(品質の維持を)続けて、お客さん、消費者に届けてもらえれば。品質が悪いと、どうしても最後には(流通先から)『いい産地にかえてくれ』という話になってしまう」

今回の品質査定会の収穫について、下山さんは…。

(愛知県・下山幸子さん)
「真剣に厳しい意見も言っていただけますので、『あっ!そんなふうに、そういうことだったんだ!』という気づきもありました」

行政トップを東京に呼び、愛知県を直接アピール!

下山さんは、毎日市場に詰めて情報収集を行う一方で、イベントを行うこともあります。この日は、地元・愛知県豊川市から市長自らセールスにやってきました。地元愛知の産地から行政トップを呼んで、直接PRする場も設けているのです。

(豊川市・竹本幸夫市長)
「こういったトップセールスをすることによって、豊川市の良質な野菜類を中心に皆さんに知っていただいて、より活発な取引を期待しています」

東京・下北沢のスーパー「オオゼキ下北沢店」では、店の一番目立つところに豊川市をはじめとする愛知県産トマトが並んでいます。静岡県や和歌山県のトマトもありますが、よく売れていたのは、価格もお値打ちな愛知県産でした。

朝6時50分。今日も競りが始まります。

(愛知県・下山幸子さん)
「あの大きな市場の中で、愛知県のものを見つけると『よく来たね』という気持ちでうれしくなって迎えるような形なんですけれども。東京在住を武器に、愛知の魅力を発信して“愛知県のブランドだったら買おう”というふうに、全国の人が思っていただけるようにしていけたらと思っています」

全国から野菜が集まり、しのぎを削る日本一の青果市場。愛知県から遠く離れた東京で、下山さんは今日も愛知産の農作物を売り込むため、市場を駆け抜けます。

CBCテレビ「チャント!」6月27日放送より