床下や梁(はり)の調査でも欠陥が…

次は床下を調べます。
コンクリートの土台に空いた穴。ガス管を通すために開けたようですが、ここにも重大な問題が…。

(住宅Gメン 長井さん)
「ここの穴が(施工の)後から開けられているんですけど。コンクリートの穴ですね。ガス管(を通す穴)なんですけど、鉄筋の位置を調べます」
長井さんが取り出したのは、コンクリート内部の鉄筋の位置を特定する「鉄筋位置測定機」。

電磁波を使い、ミリ単位で鉄筋の位置を探していくと、またしても長井さんが不良個所を見つけました。

(住宅Gメン 長井さん)
「この機械の右側の縦のラインが鉄筋の位置ですね」「ここに鉄筋があります。(鉄筋が)切れています」

建物を支える基礎部分の鉄筋が切断されていたのです。鉄筋の位置を確認せず穴を開けたのが原因といいます。
欠陥はそれだけに留まりません。柱と共に屋根などを支える「梁(はり)」も…

(住宅Gメン 長井さん)
「(機器を)取り付けるのに、構造材の梁を切り欠いている状態ですね」
乾燥機を収めるために、梁そのものを切り欠いていたのです。

(鈴木さん)
「かなりえぐってますよね。ひどいなと思って」
さらに、梁と柱の接合部は木が乾燥で大きく縮みゆるんでしまっています。


(住宅Gメン 長井さん)
「上と下のヒビがつながってしまうと耐震性に影響がでできますね。十分木を乾燥させずに現場に搬入したと思う」
「Q地震が来たら?(建物が)崩れてしまいますね」
次々に見つかる欠陥。
さらに、図面を見ていた長井さんはあることに気がつきます。
「違法建築」の部屋も発覚…

(住宅Gメン 長井さん)
「確認申請の図面ではここの部屋はないんですね」

長井さんが見ていた3階の部屋。
実は、行政に提出して建築確認を受けた図面には、3階部分が書かれていないのです。

(鈴木さん)
「(確認申請)が降りてから(3階の)床を張るんだと言っていました。おかしいとは全然思わなかった。そのようなシステムで作るんだと思っていた。おかしいなと思ったのはつい最近ですよ。」

なぜこんなことが起きるのか。
(住宅Gメン 長井さん)
「こちらの地域は容積率が厳しくて、(施主の)希望のお部屋の広さを全部入れてしまうと容積率オーバーになるんですね。ですからこの部屋を(住宅検査の)後から作る事によって、面積の方も建築基準法上ごまかしているってことですね」

法律上、3階建てだと容積率をオーバーして違法建築となるため、2階までしかない図面で確認申請をパスし、あとから3階部分をつくっていたのです。
住宅Gメン・長井さんは「違法建築」と言い切りました。