住宅Gメン「地震が来たら崩れてしまいますね」
(鈴木さん)
「この辺りもひずんでますね(梁の)割れとかすごいですね」
建物だけで5千万円以上の注文住宅。
納得できず、調査を依頼したのが人呼んで“住宅Gメン”長井良至さん。

一級建築士で、数多くの欠陥住宅の原因究明やアドバイスにあたってきました。
まずは外壁の黒いシミから。
(住宅Gメン 長井さん)
「今回壁がカビで被害がでていまして…」

壁に見える黒いシミがすべてカビだという家主の鈴木さん。しかし、建設業者は…
(鈴木さん)
「汚れだっていうんですよ」
業者からのメールには…

「壁の中の結露対策を万全にして施工していますので表面的な汚れ 漆喰(しっくい)の特性であると考えています。施工上の問題はないと確信しております」
漆喰はこんな風に汚れるものなのか?
住宅Gメン・長井さんは、壁の表面の物質を採取し専門機関に分析を依頼しました。


調査の結果、カビが検出されました。黒い物質は、やはりカビだったのです。

古来より建物に使われてきた漆喰。なぜカビがすぐにはえたのか?
壁を赤外線カメラで撮影してみると…。

広い範囲が紫色に浮かび上がりました。これは一体何を意味するのか?
(住宅Gメン 長井さん)
「壁の中に水分を含んでいるということですね」
漆喰の下に塗られたモルタルが薄すぎてひび割れが発生し、そこから水が染みこんで抜けなくなっていたのです。
この建物の場合、防火性能を保つためモルタルの厚みは20ミリ以上にしなければなりませんが…

(住宅Gメン 長井さん)
「13ミリ。厚さ不足です。防火性能がないことと、カビの原因となっています。(壁の)中への水分の透湿ですね」