トゥレット症患者は「寝られない」 夜中の密着映像には専門家も注目

(大園康志プロデューサー)
トゥレット症の患者さんは人口1000人あたり3人から8人いると推定されていて、見つかったのは138年前にフランスの医師のジル・ド・ラ・トゥレットっていう神経医が報告していて、トゥレット症はそのお医者さんの名前を取っているわけです。

だけど治療法は本当にわからず、マウスピースを装着する人がいたり、それが電極を脳に埋め込んで電気信号を送って押さえてみるとか、いろんなことを皆さんやってらっしゃるようなんですけど、決定的な方法が見つからない。

栁瀬記者も東大病院の金生由紀子医師という第一人者にも当たってくれてはいるんですけども、原因はなかなかわからない。

(栁瀬晴貴記者)
実はトゥレット症患者の、夜寝ている際の映像は、これまで研究が進んでいなくて、今回、神奈川県の患者と一晩一緒に過ごしました。

寝ている時、赤外線カメラを自分で手に持って構えていると、本当にもう2秒に1回と言っていいほど、症状が出てくるシーンで寝られないんですよね。夜中も。

これが今までやっぱりわかってこなかったみたいで。何となくトゥレット症患者は、昼間疲れているとは言われてきたんですが、もしかすると先生いわく、こういった夜中に寝られないということも関係してくるのではないかと分析されていました。

トゥレット症患者が寝ているときにどういう状況かという資料は、これまでなかった。

(大園プロデューサー)
午後11時ぐらいにベッドに入って、結局就寝したなっていうのが、午前7時ぐらい。午後11時から午前7時までは奇声を上げたりベッドの中で自分の体を叩いたり、殴ったり。寝るときは手を握りしめて寝るんですよね、自分を殴ってしまう。それで起きてしまうからっていう理由で。

右手と左手を、お祈りするような形で胸の上に置いて。

それで寝てるのか寝てないのかよくわかりませんけれども、動かないようにして体をよこたえているというのが続く。

寝られる日もあれば寝られない日もあるんで、非常に体調的にも整わないんだろうなというのは想像できますね。

(栁瀬記者)
なのでやっぱり、神奈川まで取材に行ったときも、「ごめんなさい、やっぱり今日はちょっと寝られてないんで、取材難しいです」って言われる機会も何度かあって。あと「午後からでいいですか」みたいな形で。

僕らももちろん体調が一番なので、わかりましたということで、ちょっと取材を遅らせることもありました。

普段、体が働くことの大変さ以上に、まずは生きることそのものが、眠ることそのものができない、っていう大変さがあるんですね。

だからやっぱり患者の多くは、家から出られないっていう人が多くて、一歩外に出ると、変な人だと言われて、後ろ指をさされることも多くて。なかなか生き辛いい、理解されにくい病気なんだなっていうところを感じています。