プロデューサーは初対面での言葉に衝撃を受けた「最初はドキッとしますよね」

(大園康志プロデューサー)
本人の意識に関わらず、声が出ちゃうんですね。彼は15秒に1回ですかね。私も初めて会ったときに、「…死ねよ」っていう言葉を言われるわけですよ。

いきなりね。「えっ?」て衝撃を受けますよね。

でも彼は僕に本当に死んでほしいと思っているわけではないので、それを理解してだんだんと喋っている間に、こちらも気にならなくなる。

だけど、ファーストコンタクトだと驚くだろうなっていうのは感じますよね。

声のボリュームも全然調整が利かない。かなりいい声なんですよ。ちょっと離れてても、普段喋ってる声よりちょっとトーンが低くて通る声。

「あいよ」「やばいよ」とかいう声が二重に、本当に違う人格が現れてくるような感じで、こちらには迫ってくるものがあって、ドキッとしますよね。最初はですね。

静かな空間や人混みが苦手 レストランや図書館、映画館も… 大変なのは飛行機

(栁瀬晴貴記者)
トゥレット症の彼らにとって、常に声が出てしまって静かな空間や人混みがとても苦手なんですよね。なのでレストランだったり、それから図書館や映画館も苦手だったりするんですよね。それでなかなか行けていない人が多い。

(大園康志プロデューサー)
大変なのは飛行機とか。地下鉄とか。逃げ場がないですからね。栁瀬記者は(棈松さんの郷里の)鹿児島まで一緒に飛行機に乗って取材に行ってるんです。

(栁瀬記者)
もうびっくりでしたね。やっぱり出しちゃいけないと思うと、なおさら出ちゃうみたいで。緊張すると。

なので飛行機も、もうフードをかぶって、口を押さえながら、声が出ちゃうと「ごめんなさい」っていうふうに前の席の人に謝るんですね、周りにも。もちろん乗る前も、乗った後も。

飛行機が飛び立つ前に「周りのお客さんに、すいません、僕こういう病気なんで、うるさくしちゃうかもしれないですけれども、ごめんなさい」って毎回説明しているんですよ。

ずっと謝っていらっしゃいます。ごめんなさいって。本人は悪くないんだけど。