一生懸命外へ出て「何とかトゥレット症をわかってもらいたい」でも…
Q.今回栁瀬記者が取材をお願いした方たちはそういう中でも一生懸命外へ出て、普通の人たちと一緒になんていうのも関係を持ちながら、何とかわかってもらってという人たちが多い。
(大園康志プロデューサー)
そうですね。「閉じこもっていては駄目だよね」っていう「前向きに行かなきゃね、社会に飛び込んでいかないといけないね」っていうことは皆さんは思ってらっしゃる。それができる方とできない方があって、そこに難しさがあるよね、と当事者の皆さんはおっしゃってましたね。
栁瀬記者が今回取り上げてはいないんですけれども、知り合った方の中には、北海道の山奥で暮らしてらっしゃる女性もいらっしゃいます。
長く一緒にいるといろんな声を、棈松さんの場合は「あいよ」「死ねよ」とか「やばいよ」とかいろんなパターンで出てくるんですけど、そういう人だと思ってずっと喋ってると、それを僕の耳の中でも除外して会話ができるようになっていくっていうのに気がつきましたね。
だんだんその周りがわかってくるので気にならないなっていう。
「人は見た目じゃ判断できない」それはトゥレット症だけに限らず…
(栁瀬晴貴記者)
なのでやっぱり彼らと接していると、本当に声が出たり体が動く以外は、本当に僕と同じ人間だなというところです。ただそれがあるだけで誤解されちゃう、苦しい思いをしてるというか。
(大園プロデューサー)
栁瀬記者自身は取材の中で実はじっとしてない人なんです。本当にそれは止まれないぐらい、つまり活動的によく働く。
家の中でも歩いてますって言うんですよね。番組を作るにあたっては家の中でメモを書いて、付箋に書いてぐるぐる回ってるっていうような。でも栁瀬記者のこういうところがネタをキャッチする力になっていて、これを止めてしまうと栁瀬じゃなくなってしまうという…番組の編集中も突如姿を消す(笑)。
(栁瀬記者)
この番組で一番伝えたいところっていうのは、「やっぱり人って見た一瞬だけじゃ判断できないよね」「人は見た目じゃ判断できないよね」っていうところが僕の中で、トゥレット症だけに限らずあって。
この僕が今目で見ている、その視界で見ているその人っていうのは、その人の一部であって全てじゃないなっていうことを感じました。


CBCラジオ「石塚元章 ニュースマン!!」2023年5月27日放送より
『僕と時々もう1人の僕~トゥレット症と生きる』
取材:CBCテレビ報道部 栁瀬 晴貴(26)
福岡県出身 2019年CBCテレビに入社し、報道部で記者5年目。
愛知県警担当や遊軍の記者として不正車検の実態やドン横キッズ問題などを追う。YouTubeドキュメンタリーチャンネル不定期配信「トゥレット症の“リアル”」更新中。TBSドキュメンタリー解放区「僕と時々もう1人の僕」 2023年7月2日放送