「兄弟全員は育てられない」小学1年の時、突然親から告げられた
アオイさん(仮名)17歳。彼もここに来る前は10年ほど児童養護施設に入っていて、18歳の期限を前にこのホームを頼った。
アオイさん(仮名)「自分が学校行っているときに、相談室みたいなところに呼ばれて、家族と知らない人がいたんでびっくりして…この状況は何だってなりながら、そのまま施設に送られた」
7人兄弟の長男で、唯一の男兄弟だったアオイさん(仮名)。
両親から“兄弟全員は育てられない”と小学1年のときに児童養護施設へ。
いまは全日制高校に通いながら、週5日アルバイトで働く日々。
月10万円以上稼ぎ、そのうち3万円を寮費として自ら支払っている。
記者はアオイさん(仮名)に「学校とバイトの両立はきつくない?」と何度も質問したが、「きついとは思わない」「慣れている」という言葉しか返ってこなかった。
黙々と手際よく、バイトで皿洗いをしている様子や、帰宅後もひたむきに机に向かって大学受験の勉強に励む様子を見て、自分の置かれている環境を言い訳にせず、当たり前に目の前のことを努力する、そんなアオイさん(仮名)だからこそ出た言葉なのだと、気づかされた。
アオイさん(仮名)「将来は児童養護施設で働こうかなと。ずっと養護施設にいたので、話の通じない子とか人によって特性があって、特性がある中で関わっていくのは慣れている。」