まもなく新学期。全国には、水産業に関する専門知識を学べる「水産高校」が46校あります。このうち東海地方にあるのは、愛知県立三谷水産高等学校(愛知県蒲郡市)と、三重県立水産高等学校(三重県志摩市)の2校。普通科の高校とは全く違う授業の様子が行われています。海の将来を担う水産高校の今に密着しました。

「やっと始まるなという感じ」水産高校で行われる1か月半の航海実習

三重県志摩市にある三重県立水産高校は、全校生徒168人が在籍。20トン以上の大型船舶に船舶職員として乗り組む海技士や機関士などの「水産業の専門家」を目指して学んでいます。

2023年1月、3学期の始業式で久しぶりの再会を喜ぶクラスメイトたち。2週間後には、学校生活最大のイベントが迫っていました。

(教諭)
「1月24日、乗船実習開始日」

本州から1000キロ離れた小笠原諸島の父島まで、43日間の航海実習を行います。

生徒たちが航海を行う学校所有の船「シロチドリ」は、竣工から23年経っていて、全国の水産高校が保有する船の中で最も古いものです。老朽化を受け、三重県と国は27億円を投じて2022年から新たな実習船を建造中。今の船を使った実習は残り1年です。

ある日、実習開始に向けて船に荷物を積み込んでいたのは、4月から3年生となる生徒会長の西野大洋さん(17歳)。

(西野太洋さん)
「やっと始まるなという感じで、一日一日を大切に頑張りたい」

1か月半寝泊まりする船室は、3人で利用。狭い船室ですが、慣れれば大丈夫だといいます。