カギとなるのは“カキとホタテ”

三陸海岸の一角にある広田湾(ひろたわん)。プランクトン豊富な漁場で育ったカキやホタテは身が大きく、特にカキは東京の豊洲市場でも1キロ5500円で取引される最高級品です。


(CBCテレビ「チャント!」大石邦彦アンカーマン 2月)
「めちゃくちゃうまい。カキのジュースというか、エキスがまんま入っている」

震災直後は、がれきに埋め尽くされていた漁港も、いまは元の姿を取り戻しました。しかしある問題が。
(広田湾漁業協同組合 戸羽新二さん)
「震災後になってみんなで一緒に頑張っていかなければならない、売っていかなければならないという思いが強くなってきた。
『広田』の2文字を有名なものにしよう、豊洲市場で売るだけではなくて、直で送って買っていただける、お客さんに直接いいものを送るシステムにしたい」


せっかくの良質な海産物も、知らせる手段が限られ広まらないこと。また、震災直後から街の人口減少が加速し、後継者不足にも頭を抱えています。

名古屋と陸前高田は“新たな関係”へ…
そんな中、名古屋市の河村市長は。
(名古屋市 河村たかし市長 2月2日)
「産業の交流ができるといい。やっぱり陸前高田はうまいカキが食べられるし、一次産業でしょ。名古屋は消費地だから、そういうことが味わえるといい」
陸前高田の新鮮な海産物を名古屋で消費し、「経済を回すこと」に力を入れることにしました。
陸前高田市の佐々木拓(ささきたく)市長も。
(陸前高田市 佐々木拓市長)
「今後は食・文化・産業などで関係が深くなればすごく楽しい」

そんな中、名古屋市東区のオアシス21で3月18日に開催された、陸前高田の豊かな海の幸を楽しめるイベントでは。
(訪れた客)
「こういう交流がないと、百貨店などでしか食べられないのでありがたい」
(ぶらり気仙 鍛治川直広さん)
「海産物の質はいいので、消費してもらう街として名古屋市がより一層、民間レベルで経済でつながるのはありがたい」

地元特産の海の幸に、復興への願いを託します。名古屋市と陸前高田市の関係は、新たな段階に入っています。