山の中でうなぎを安く養殖できるヒミツ

テントの中に設置された水槽は直径3.5メートル。約500匹のうなぎが飼育されています。陸上養殖は一般的に輸送費などコストがかさむ傾向にありますが、なぜうなぎを安く養殖できるのか…。秘密は水槽の「水」でした。

実は、水槽の中に流れ込む水は下呂の「温泉水」。燃料費が高騰する中、豊富に湧き出る温泉水をそのまま使うことで、大幅なコストダウンができるといいます。

事業を手掛ける「Tri-win(トライウィン)」の伊藤通康社長に聞くと…。

(Tri―win 伊藤通康社長)
「うなぎは28℃から30℃の水温が適温とされ、川の水などで飼育する他の養殖場では加温のコストがかかりますが、下呂の温泉水は水温が28℃前後のため加温が必要なく、コストの削減ができます」

川の水は時期によって水温が変化し、ボイラーで温度管理をしないといけませんが、温泉水ならその必要はありません。

(伊藤社長)
「水温を1℃加温するのに、年間100万円かかる。川の水温がだいたい15℃だったとしたら、うなぎの適正温度の30℃くらいまで加温するとなると、年間1500万円くらいかかってしまう」

しかも、うなぎの味にも特徴が…。