開通することなく“未成線”に?
(道マニア・松村真人さん)
「国道が整備されてない時に、鉄道で五條から新宮に向かう期待された線路だった。国鉄の赤字などで計画は中止になり、一度も鉄道が走ることがないままの未成線」
昭和14年、人々や木材などを輸送するため、五条から和歌山県の新宮までを鉄道で結ぶ「五新線」の工事が着工されました。
しかし、急峻な山地を貫くトンネル工事の難航や莫大な建設費用により、昭和57年に計画は中止に。五新線は開通することなく、未成線となりました。かつては川の中に建てられた巨大な橋脚も、しばらくは遺構として残されていたそう。
さらに、「未成線の一部が、変わった使われ方をされていた」という場所へ行ってみると…

(道マニア・松村真人さん)
「開通するまでの暫定期間、国鉄バスがここを走っていた。一般車両がバス専用道路に間違って入らないようにする遮断機もあった」
かつては五新線の線路が敷かれるはずだった道は、鉄道開通までの間、バス専用道路として使われていました。
五新線の工事着工から20年後に、五条から城戸までの区間の路盤工事が完了。地元の人達からの強い要望で、鉄道が開通するまでの間、この区間をバス路線として活用することになりました。
鉄道工事が中止になってからもバス専用道路として使われていましたが、平成26年に利用者減少によりバスの運行も廃止となりました。
(道マニア・松村真人さん)
「国道168号のバイパスとして、この路線を使ったバスがめちゃくちゃ便利だった。未完成の鉄道でこういう使い方をしているのはここだけ」