過去最長 7年9か月続いた「黒潮大蛇行」
(気象庁大気海洋部 髙槻靖予報官)
「大きな蛇行になったところが、2025年4月で終息したと判断するに至りました」


きょう午前、気象庁と海上保安庁は2017年8月から続いていた紀伊半島から東海沖の「黒潮大蛇行」は、ことし4月に終息したと発表しました。
この現象は日本列島の南岸に沿って流れる黒潮が大きく南に蛇行するものですが、今回は7年9か月も続き、過去最長となりました。

1965年以降に観測された黒潮大蛇行で比較すると、今回の次に長く続いたのは1975年8月から1980年3月までの4年8か月。いかに今回が長かったかがわかります。
(気象庁 髙槻予報官)
「向こう1か月についても黒潮大蛇行の条件と照らすと、黒潮大蛇行とは言えない状況が継続する予測になっています」

では海の魚への影響についてはどうなんでしょうか?
(気象庁 髙槻予報官)
「暖かいところが好きな魚は黒潮大蛇行しているときは、かなり南の方に行っていたので、漁場が近くなる可能性がある」
専門家「生き物にとってプラス効果か」
担当者によると大蛇行終息で、海水温の高いポイントが変化し漁場が移動したり、獲れる魚の種類や沿岸の海洋環境にも影響を与えるということです。海洋環境について詳しい専門家は。
(三重大学水産実験所 松田浩一教授)
「黒潮大蛇行が収まると少しは水温が下がってくれることが期待できる。生き物にとってもプラスの効果が期待できるのではないか」
終息によって、航行する船舶の経済的な運航コースも変わり、今後の私たちの「食」にもさらに影響を与えることは間違いありません。
