
ゾコーバは重症化リスクがなくても使用可 一方で使用できない人も
これまでと違うところは対象者です。ラゲブリオと、パキロビッドの対象者は、重症化リスクのある軽症~中等症Ⅰの方でした。そこがゾコーバに関しては重症化リスクのない方でも、軽症から中等症Ⅰの場合、服用できるということです。詳しい効果などを見ていきます。

【対象者】
・12歳以上
・軽症~中等症Ⅰ
【効果】
・5症状(けん怠感、発熱、鼻づまり、のどの痛み、せき)の軽減
・ゾコーバ服用 :7日で症状消失
服用せず:8日で症状消失
【使えない人】
・高血圧・高脂血症など36の薬剤との併用
・妊婦には投与不可
このゾコーバは12月はじめに供給が始まる見込みということですが、医療関係者の間でも、いろいろな意見があるようですね。

(CBCテレビ「チャント!」大石邦彦アンカーマン)
「現状確認すると、国産のワクチンというものはできていません。そして、国産の治療薬ができるのは待望なんですけれども、これまでの流れを見てみましょう。

【塩野義製薬 ゾコーバ承認までの流れ】
去年 7月 国内臨床試験開始
ことし6月 緊急承認審議→持ち越し
7月 薬事分科会で審議→見送り
11月22日 緊急承認
承認まで2年8か月という期間でした。一般的に承認までは、平均9年から17年かかるということ(国立成育医療研究センター)で、早い気もしますが、これは「緊急承認」という国内の薬を認める制度で2年8か月でした。これまでは海外のものを認める制度、特例承認という制度だったんですが、それも1年~3年ぐらいです。
つまりコロナ禍ではスピード感が求められるので、ゾコーバの2年8か月という期間は珍しくはありません。
症状消失までの「1日の差」をどう考える
今回の承認の中で、ひとつポイントとなるのが、症状が消失するまでの期間がゾコーバを服用した人としない人の差はわずか1日ということです。この「1日」をどう見るか。
きょう(11月23日)名古屋市内で、乳幼児のワクチン接種について中止を求める団体の会見を取材しました。

全国1273人の医療関係者で構成されている『全国有志医師の会』の会見だったんですが、ここで医師が言っていたのは『劇的にこの薬で改善されるかというと、そうではない。わずか1日の差だと。しかも服用できない人もいるし、飲んではいけない人もいる。これまで2回承認を見送られた経緯もあるし、当然飲んだ場合の副反応、リスクもあるだろうと考えると拙速ではないか』という意見もありました。

そこで大石の視点です。『国産治療薬がコロナ禍を終わらせる?』のか。または『コロナ禍を終わらせるために治療薬を緊急承認した』のか。このあたり、どうなのかわかりませんが、これについては、VTRにも出ていた、薬害エイズ事件の被害者でもある川田龍平参議院議員が24日国会で質問するそうです。国の答弁から一体何が透けて見えてくるのでしょうか」
(CBCテレビ「チャント!」夏目みな美キャスター)
「まずは『緊急承認』ということで、1年の期限があるようですが、効果などについてはきちんと正しい検証が行われなくてはいけません」