「一票の格差」を是正しないまま行われた、ことし7月の参院選は憲法違反だとして住民らが選挙の無効を求めた裁判で、名古屋高裁は請求を棄却しました。
訴えを起こした住民の弁護士らによりますと、ことし7月の参院選では議員1人あたりの有権者数が最も少ない「福井県選挙区」と比べて、愛知で2・41倍、岐阜で2・59倍、三重で2・32倍の差がありました。
住民らはこの格差は憲法が規定する「一票の価値の平等」に違反するとして、東海3県の選挙の無効を求めていました。
名古屋高裁の土田昭彦裁判長は25日の判決で、「2016年の選挙の時から前回と今回の選挙でいずれも僅かながら格差を縮小させている」などとして、「合憲」と判断し請求を棄却しました。
「一票の格差」をめぐる訴訟では東京高裁と大阪高裁がすでに「違憲状態」と判断していて、「合憲」としたのはこれが初めてです。