“マイナ保険証”利用者は1週間に1人いるかどうか


(記者)
「こちらのクリニックでは、受付にマイナンバーカードを読み取る機械が設置されています」


お邪魔した名古屋市昭和区の病院は、去年12月から対応を開始。

(医療法人いつき会グループ医事課 渡辺耕平主任)
「この機械にマイナンバーカードを挿入していただき、データを読み取っていく。顔認証か暗証番号で本人確認をする。マスクを付けていても顔認証ができる」


読み込んだ情報は…

(医療法人いつき会グループ医事課 渡辺耕平主任)
「全部目視で確認して手打ちしていたが、取り込みボタンを押せば情報が入ってくる」

診察室では…

(医療法人いつき会グループ医事課 渡辺耕平主任)
「こちらでは過去に処方された薬の情報や特定健診のデータが確認できる。この方にはこの薬が出ているからということで、適切な診療が提供できる」

しかし、マイナ保険証を提示する患者は、1週間に1人いるかどうか。さらに…



お薬手帳や診察券との一体化は…


(医療法人いつき会グループ医事課 渡辺耕平主任)
Q.お薬手帳の代わりにマイナ保険証を利用する人は?
「(お薬手帳を)持参した人が多い。現物を見て新申しているという現状」

マイナ保険証を、お薬手帳の代わりとして利用した患者はまだいないといいます。

また、こんなデメリットが…

(医療法人いつき会 加藤祐子さん)
「患者も診察券の日にちを見て、次回の予約を確認するし、こちらも診察券を渡すときに目視で次の案内も兼ねている。診察券がなくなると少し不便になると思う」


国は「診察券も一本化できる」と言いますが、医療現場とは温度差があります。


“マイナ保険証”に断固抗議の医療関係者も…


一方、愛知県保険医協会は、14日「マイナ保険証の取得は国民の任意にするべきで、国に対して断固抗議する」としました。

病院内でのカードの紛失や盗難、マイナンバーの漏洩のリスクも高まる上、病院が取得した場合に、届け出の事務負担も生じるので、医療現場への今以上の負担を増やすべきではないともコメントしました。

さまざまな意見が出る中 政府には、「便利だから」だけではない、「なぜマイナンバーカードが必要なのか」という丁寧な説明が求められています。