「ストリートビュー」が悪用される?


これから年末にかけて増えるのが、空き巣などの侵入盗(しんにゅうとう)による被害です。

知らない道を調べるときなどに使うグーグルの「ストリートビュー」。実はこれが侵入盗犯人の下見に使われているというのです。

様々な場所がパソコンやスマホでみられるストリートビュー。便利な反面、窃盗グループの下見に使われる恐れもあり、警察が注意を呼び掛けています。

警察はこうした犯罪を防ごうと、愛知県半田市の住宅街で、13日朝、住民とともに防犯上の危険箇所をチェックしました。

半田警察署管内では、ことし侵入盗被害が9月末までに28件と、去年の同じ時期に比べ倍増しています。

例えば脚立を出しっぱなしの住宅。犯人が2階から侵入するのに使われる可能性があるといいます。

窃盗グループは、住宅への侵入経路や付近の住民からの死角を探していると警察は指摘します。しかし、犯人は狙いを定めた場所に直接下見に行かずとも…

(半田警察署生活安全課 安達信生課長代理)
「ストリートビューなど地図情報サービスを使って、家の構造や防犯設備を事前に下調べをして、ターゲットを決めて泥棒に入る」

グーグルストリートビューで建物の構造や周辺環境、さらには駐車場に止めている車の種類なども確認できるため、窃盗グループが悪用しているケースがあるとのこと。そこで…


(半田警察署生活安全課 安達信生課長代理)
「『ぼかす機能』があるということを住民に知ってほしい」

グーグル側に要望すれば、住宅をぼかすことは可能なのです。



(半田市中村区 中埜喜夫区長)
「区民に『よくないことに使われる可能性がある』と熟知してもらえば、防犯意識が高まると思う」

愛知県ではことし9月末時点で1875件の侵入盗が起きていて、去年の同じ時期に比べおよそ250件増えています。

家を不在にすることが多い年末年始は特に被害が増える傾向にあります。

警察は、ストリートビューの「ぼかし処理」も防犯対策の一つとして検討してほしいと呼び掛けます。