初めての自家醸造ビールは、妻の演奏したフルートの音色を表現

こうして「バタフライブルワリー」は開店しましたが、2022年8月入谷さんはようやく自宅での醸造を始めました。
醸造に関しては初心者。ビール造りを模索しながら、シングルファーザーとしても奮闘する毎日を送っています。
毎朝6時に起きて、娘たちの朝ご飯作り。以前は光江さんがやっていて、入谷さんは皿洗いをするくらいで家事をした気になっていたと言います。長女の美希ちゃん(8歳)と次女の美緒ちゃん(6歳)は、まだ親に甘えたい年頃です。
(バタフライブルワリー・入谷公博さん)
「子どもがまだ小さいので家で仕事したいというのと、なるべく多くの時間を子どもに割きたい」
最初のビールにつけられた名前は「フルート」。光江さんが好きだったホワイトペールエールという種類です。
妻のフルートの音色をビールで表現し、優しい味にしたいと意気込みます。3週間後、できあがったビール「フルート」はきめ細かくておいしいものに仕上がりました。

「フルート」以外にも、「和琴」「トランペット」など楽器を銘打ったクラフトビールが誕生。店頭で「フルート」を買ったお客さんも、楽器が出す柔らかい高音を味わっているようだと評判です。
妻の仏前に「フルート」のビールを供え、完成を報告。いつも見守ってもらっていると感じており、娘たちと一緒に改めて頑張ることを誓いました。
(バタフライブルワリー・入谷公博さん)
「ようやくここでフルートができたよと報告しました。店の外観に妻のシルエットがあるので、一緒に頑張っていると思う」
妻の演奏するフルートはもう聴けませんが、ビールの味に音色が流れています。
CBCテレビ「チャント!」9月27日放送より